オシロスコープの垂直精度の校正方法

Y 軸は、ほぼ入力信号の振幅の表示の目的にのみ使用されます。これらの信号は、チャネル増幅器 (最低 2 チャネル、多くの場合 4 チャネル以上) で処理されます。振幅校正の基本的な設定機能は次のとおりです。

  • 目盛りに対するゼロアライメント (オフセット)
  • 垂直増幅器のバランス
  • 垂直チャネルの切り替え
  • Alternate / Chopped 表示の操作
オシロスコープの垂直精度の校正方法

水平偏向の精度: 振幅

Alternate スイープスイッチングまたは "Chopped" 高速スイッチングでは、複数のトレースが作成されます。

Alternate スイープスイッチング: 各トレースは、次に切り替わる前に完了します。

"Chopped" 高速スイッチング: 高速で交互に入力がサンプリングされ、それぞれ別のチャネルに送られます (通常は低周波数信号に使用)。

どのスコープも入力チャネルを切り替えて、一般に入力を共通の測定システムに送る方式になっていますが、各チャネルの増幅器と減衰器はそれぞれに異なり、垂直確度に対する最大の影響因子は、それらのゲイン特性です。

各垂直増幅器システムの校正でチェックすべき主なパラメータは 5 つあります。

  • オフセット
  • ゲイン
  • 直線性
  • 帯域幅
  • パルス応答

これらのパラメータは、信号を正確に表現する上で非常に重要です。異なるチャネルから印加される信号を効果的な比較するには、それらのチャネルパラメータを等化する必要があります。

通常、チャネル増幅器のゲインの測定は、標準信号を注入し、目盛りに信号を表示することで行います。増幅器のカップリングは AC と DC 間、さらにはしばしば 50 Ωと 1 MΩ 間で切り替わることがあり、これらの形のカップリングの各動作をテストする信号を注入する必要があります。

通常、増幅器のゲインの測定では、2 つの標準信号が使用されます。

  1. DC カップリングでは、DC 信号または矩形波のいずれかが注入され、チャネルの応答は、ディスプレイ上の目盛り分割またはカーソル読み取り値を基に測定されます。

Fluke の各スコープ校正器は、DC 連結増幅器のゲインおよびオフセットのテスト時に DC 電圧と 1 kHz 矩形波出力を供給します。

  1. DC カップリングでは、1 kHz の矩形波信号が注入され、ここでもまた、チャネルの応答はディスプレイ上の目盛り分割またはカーソル読み取り値を基に測定されます。

低周波パルスを使用することで、低周波 (LF) と高周波 (HF) 全体の応答の大まかなチェックを行うこともできます。これは、歪み全体の非常に大まかなテストに過ぎません。パルスの応答と帯域幅については、引き続き矩形の形をした結果をチェックする必要もあります。

Fluke のすべてのスコープ校正器は、AC 連結増幅器のゲインおよびオフセットのテスト時に 1 kHz 矩形波出力を供給します。

チャネル増幅器の直線性は、DC または矩形波信号のいずれかを注入して、振幅を変化させ、目盛りまたはカーソル読み取り値を基にその変化を確認することによってテストできます。

パルス応答

パルスの高速エッジの立ち上がり時間を見ることは、パルス入力に対する垂直チャネルの応答を測定する 2 通りある補完的な方法のうちの 1 つです (増幅器の帯域幅も測定する必要がある)。

高速エッジに対する応答は、テストするオシロスコープの入力インピーダンスによって異なります。一般に、2 つの標準入力インピーダンスが使用されています。50 Ω と 1 MΩ / (通常) 15 pF。1 MΩは業界標準の入力であり、一般にパッシブプローブで使用されます。50 Ω 入力の場合は、HF 信号と最適一致することになります。

立ち上がり時間を測定するには、テストするチャネルにパルス信号を注入して、測定可能な画面画像を表示できるようにトリガおよびタイムベースを調整し、目盛りまたはカーソルの読み取り値を基に立ち上がり/立ち下がり時間を測定します。表示される立ち上がり/立ち下がり時間には、印加信号とテスト対象のチャネルの 2 つのコンポーネントがあります。これらは平方和のルートとして結合されるため、UUT チャネルの時間を計算するには、次の数式を使用する必要があります。

UUT の立ち上がり/立ち下がり時間 = 平方根 [(観察時間)2 – (印加信号の時間)2]

一部のオシロスコープでは、0 % または 100 % のマークを基にパルスの振幅を揃えて、水平方向の中央の目盛り線のマークを基に 10 % / 90 % 交差点を測定しやすいように、垂直方向の目盛りに特別に 0 % と 10 %、90 %、100 % のマークを付けているものがあります。現代の DSO の多くは、同じポイントで立ち上がり時間を測定する機能の測定カーソルを備えています。

測定

Fluke のすべてのモデルで、2 通りのパルスが使用されます。

  • 低エッジ機能: インピーダンスが 50 Ω で、立ち上がり/立ち下がり時間が 1 ns より大幅に短い低電圧振幅パルス。この数式を使用したテスト対象 (UUT) の立ち上がり/立ち下がり時間の計算では、印加信号の立ち上がり時間が校正器の最新の校正で印加パルスの振幅に最も近いことが証明されている必要があります。
  • 高エッジ機能: インピーダンスが 1 MΩ で、立ち上がり時間が 100 ns 以下の高電圧振幅パルス。この機能は主として、オシロスコープのチャネル減衰器の応答の校正に使用されます。

立ち上がりエッジのアベレーション

ディスプレイには、アベレーション、すなわちオーバーシュートやアンダーシュートが表示されます。しばしばアベレーションは、電圧がその最終値 (100 % と定義) で落ち着く前のエッジの上端に表示されます。

測定時にアベレーションが表示される場合は、仕様の範囲内である必要があります。オシロスコープのアベレーション仕様が校正器の仕様に近い場合、校正にはその他の方法を使用する必要があります。

チャネルの帯域幅

これは、画面に試験パルスを表示してパルス応答を判定するだけでなく、"調整正弦波" を使用して増幅器の帯域幅を測定することで対応する必要があります。50 Ω のソースと伝送システムの完全性を維持するには、50 Ω の入力インピーダンスで実施します。

高入力インピーダンスのオシロスコープの場合、インライン 50 Ω ターミネータを使用してオシロスコープの入力側でラインを一致させます。インラインの 50 Ω は、独立した 50 Ω ターミネータであっても、"アクティブ "ヘッドに組み込んだものでもかまいません。後者には完全に自動化できるというメリットがあり、それ以上の校正は必要ありません。

使用中の 9500C アクティブヘッド

最初に基準周波数 (通常は 50kHz) で入力側のサイナソイダル波を測定し、次に同じ振幅で周波数をチャネルの指定 3 dB 周波数まで上げます。再び表示振幅を測定します。

観察された 3 dB ポイントの振幅が基準周波数の値の 70 % 以上である場合、帯域幅は適切です。

実際の 3 dB ポイントを確定する必要がある場合は、ピークツーピーク振幅が基準周波数の値の 70 % になるまで周波数を上げて、その周波数が 3 dB ポイントに近くなるまで周波数を上げる必要があります。