太陽光発電 (PV) システムの仕事では、システムのオン時に開放する (オフにする) ことを想定していないタイプの遮断に遭遇することがあります。この無負荷ブレーク定格遮断は、電流を遮断するのではなく、メンテナンスのために機器を分離するように設計されています。間違った方法で開放すると負傷の原因になります。
PV パネルの仕事では、無負荷ブレーク定格遮断の方法に精通している必要があります。無負荷ブレーク定格遮断とは
遮断 (オフ・スイッチ) を開放 (オフ) 位置でロックするためのロックアウト/タグアウト予防機能はよく知られています。しかし、場合によっては、2020 National Electrical Code (NEC) のセクション 690.15 で定められているように、無負荷ブレーク遮断を開放するときに、ツールの使用が必要になることがあります。上記の予防機能は、「負荷状態」(電流が回路を流れている状態) のものを遮断することを想定していません。ツールの使用は、遮断をオフにしてアーク・フラッシュを発生させないようにすることを目的としています。アーク・フラッシュが発生すると、火災の発生、資産の破損、人身被害につながるおそれがあります。
無負荷ブレーク遮断には、次のようなさまざまな種類があります。
- ソーラー・モジュールに付属する MC コネクターなどのコネクター
- コンバイナー・ボックスに使われるようなフィンガーセーフ・ヒューズ・ホルダー
- 電源オフ時にツールに必要とされる絶縁装置
- NEC で特に定義されていないその他の方法
無負荷ブレーク遮断は「オフ・スイッチ」ではありません。先に何か別のもので回路をオフにする必要があります。機器を回路から隔離して、交換やメンテナンスを行うためにのみ開放する (オフ位置にする) ことを想定しています。無負荷ブレーク定格遮断を安全に開放するとは、隔離しようとしている回路に電流が一切流れないようにすることを意味します。
負荷ブレーク定格遮断とは
これに対して、負荷ブレーク定格遮断は、電流が流れている間 (オンの間) に回路を開放できる遮断です。負荷ブレーク定格遮断は、システム全体のオフに使用されるため、コストが増加することがあります。これが、電流を遮断しない無負荷ブレーク定格遮断を使用する理由の 1 つです。また、直流に対する作業の場合は、交流よりも電流の遮断 (オフ) が非常に困難で、コストが増加します。
無負荷ブレーク定格遮断の安全な開放を確認する
Fluke 393 FC クランプ・メーターを使用すると、無負荷ブレーク定格遮断時に電流がなく、DC 回路を安全に開放可能であることを容易に判断できます。- Fluke クランプ・メーターをオンにして電流設定にします。これは上に実線と破線の付いた「A」記号で示されます。A はアンペア (電流測定の国際単位) を表し、実線と破線は DC 電流を表しています。
- 測定クランプを開き、1 本の導体を測定します (1 つの回路または 1 本のケーブル内の 2 本でないこと)。
- ディスプレイ上の電流を読み取ります。
回路に合った定格のソーラー・メーターを使用する
メーターの定格が、測定する回路の電圧と電流以上であることを確認します。ソーラー設備はカテゴリ III 環境であり、地上設置型ソーラー・システムでは 1,500 V DC が一般的になるつつあるため、定格が CAT III 1,500 V のメーターを使用する必要があります。それはフルークのメーターです。
Fluke 393 FC CAT III 1500 V TRMS クランプ・メーターは、世界で唯一の CAT III 1500 V True-rms クランプ・メーターです。最大 1,500 V DC の回路を安全にテストできる AC/DC クランプ・メーターです。過酷な屋外環境で使用するための IP 54 等級に適合し、オーディオ極性インジケーターにより、PV パネルの設置、試運転、トラブルシューティングを簡単に実施できます。
ほとんどのクランプ・メーターは交流 (AC) しか測定できません。これは普通の電気技術者が一般家庭の配線を行うには問題ありません。しかし、今日の再生可能エネルギー業界では、DC 回路を測定します。Fluke 393 FC を使用すると、配線に触れることなく簡単に測定できます。
安全な測定のためのヒント
無負荷ブレーク定格遮断を負荷状態で開放する (オフにする) と、スパークや煙、それ以上の問題が発生する可能性があります。クランプ・メーターを使用して PV システムの電流を測定する場合は、次の指示に従って安全を確保してください。
- ツールを使用する前に、手順をお読みください。
- クランプが囲んでいる配線が 1 本だけであることを確認します。ケーブル内に 2 本以上の配線がある場合、DC 回路の電流は互いに相殺され、電流が存在していても測定値はゼロになります。
- DC を測定するときは、メーターが DC に設定されていることを確認してください。設定が正しくないと測定値はゼロになります。
- 電流がないと想定される回路をテストする前に、電流があることが分かっている DC 回路をテストして、メーターを正しく使用していることを確認します。
今日のソーラー設備には、1,500 V DC の CAT III 定格メーターが必要です。その環境で安全であることは、十分な電流と電圧を測定できる定格を備えた信頼性の高い機器であることを意味します。プロのソーラー技術者は、フルークのメーターが最高の信頼性を備えていることを知っています。お客様の命を救います。
エキスパートについて
Sean White 氏は、NABCEP アソシエイト・プロバイダーであり、NABCEP 登録生涯教育プロバイダーです。彼はソーラー PV とエネルギー貯蔵に関する 8 冊の技術書を執筆しており、常に多くの仕事を抱えています。Sean 氏は、SPI、Intersolar など、さまざまな団体の NEC ワークショップで教鞭をとっています。2014 年の年間最優秀 IREC トレーナーに選出され、2020 年の 10 年間 SNEC オンライン・トレーナーとして表彰されました。